SFセミナー2016 企画紹介
本会企画
クロスメディアの作家たち
出演:三島浩司 大樹連司 吉上亮 聞き手:鈴木力
日本初のテレビアニメシリーズ『鉄腕アトム』に深く関わった故・手塚治虫が日本SF作家クラブの初期からのメンバーであったり、またアトムの脚本を豊田有恒氏が担当したりと、日本のSFで活字メディアと映像メディアは、その始まりにおいてから不可分の関係にありました。そして現在も、映像作品のノベライズであると同時に、その人にしか書き得ない作家性の強い作品が発表されています。本企画ではこうした仕事を手がけた方々をお招きし、メディアの枠を超えたSFのありようについてお伺いします。(文・鈴木力)
*企画終了後、昼休みの時間ににサイン会を行います。
●三島浩司
1969年生まれ。2003年、第4回日本SF新人賞を受賞した『ルナ Orphan's Trouble』でデビュー。2011年発表の『ダイナミックフィギュア』が第32回日本SF大賞候補作となる。他の著書に『ガーメント』、『高天原探題』など。最新作『ウルトラマンデュアル』はTSUBURAYA×HAYAKAWA UNIVERSEの第二弾となる。
●大樹連司
1982年生まれ。2007年『ぼくらの 〜alternative〜』でデビュー。著書に『星灼のイサナトリ』、『ほうかごのロケッティア School escape velocity』など。最新作は『楽園追放2.0 楽園残響 -Godspeed You-』。本名の前島賢でSF、ライトノベルのライターとして活動。著作に『セカイ系とは何か』。
●吉上亮
1989年生まれ。2013年『パンツァークラウン フェイセズ』によりデビュー。著書に『PSYCHO-PASS ASYLUM』、『PSYCHO-PASS GENESIS』。短編に「未明の晩餐」(早川書房編集部編『伊藤計劃トリビュート』所収)などがある。
『三体』以後の中国SF
出演:スタンリー・チェン、立原透耶
科幻小説と中国で呼ばれているSF、中国系アメリカ人のテッド・チャンに始まり、ケン・リュウが日本に紹介されました。彼らはアメリカに渡って育った中国系アメリカ人で厳密には中国SFではないのかもしれませんが、昨年のヒューゴー賞ではついに劉慈欣が中国語で発表した『三体』が長編部門を受賞しました。本国のみならずアメリカでも受け入れられ、日本でも翻訳が待たれている中国科幻小説。その中国科幻小説の今を小説家のスタンリー・チェン氏と小説家で中国文学研究家の立原透耶さんにお話いただきます。(文責・立花)
●スタンリー・チェン 陳楸帆
1981年生まれ/小説家/長編『荒潮』(アメリカで翻訳出版決定)、短編「鼠年」(「SFマガジン」掲載)ほか多数。中国のウイリアム・ギブスンとも呼ばれる、中華圏でも多くの受賞歴を誇る期待のSF作家。
●立原透耶
1969年生まれ/教員、物書き/『竜と宙』、『ひとり百物語』など
SFファンタジー翻訳教室
出演:西崎憲
翻訳という行為は、2つの言語文化をつなげる、とても楽しい体験です。SFや幻想小説が好きな方々に、趣味として、職業として、翻訳の楽しさを体験してもらうためのミニ・ワークショップを開講いたします! 講師は、作家にして数多くの文芸、幻想文学の翻訳を手がけており、日本翻訳大賞の発起人にして選考委員のひとりでもある、西崎憲氏。事前に出されるミニ課題をこなして応募すれば、コメントももらえます。(文責・井手)
●西崎憲
1955年生まれ。小説家、翻訳家、作曲家。音楽レーベル「dog and me rocords」主宰。1990年代より翻訳を始め、アントニイ・バークリー、A・E・コッパード、ヴァージニア・ウルフ、ジェラルド・カーシュ、コナン・ドイルなど多数の翻訳書を手がける。2002年『世界の果ての庭』で第14回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビュー。2015年、第一回日本翻訳大賞を創設し、選考委員を務める。『蕃東国年代記』新潮社、『ゆみに町ガイドブック』河出書房新社、『ビットとデシベル』(歌集、フラワーしげる名義)など著作多数。2016年4月創刊の「文学ムック たべるのがおそい」vol.1編集長。
当日使用するテキストとなります。
あらかじめ読んでおくと理解しやすいです。コメントが欲しい方は、翻訳して4月30日(土)までにSFセミナーまでお送り下さい。
會川昇インタビュー 『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想』〜ヒーロー・伝奇・SF
出演:會川昇 聞き手:日下三蔵
四月より第二期が放送されているテレビアニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想』は、超能力者が活躍する集団ヒーローアクション、もう一つの日本の戦後を舞台にした歴史改変SF、さらには日本の「ヒーローものエンタテインメント作品」を扱ったメタフィクションという要素をあわせもった意欲作です。この企画では本作の原作、脚本をつとめていらっしゃる會川昇氏をお迎えして、コンクリートレボルティオについてはもちろんのこと、會川氏がこれまで手掛けてきたアニメ、特撮などの映像SF作品について、さらにはSFへの想い、考えなどを日下三蔵氏を聞き手におうかがいします。(文責・新井)
●會川昇(あいかわ・しょう)
1965年生まれ。脚本家・小説家。主な作品に脚本としてテレビアニメ『機動戦艦ナデシコ』『鋼の錬金術師』『天保異聞 妖奇士』『UN-GO』、特撮『轟轟戦隊ボウケンジャー』『仮面ライダー剣』など、小説として『UN-GO 因果論』『超人幻想 神化三六年』(ともにハヤカワ文庫)などがある。
●日下三蔵(くさか・さんぞう)
1968年生まれ。ミステリ・SF評論家。フリー編集者。アニソン研究家。主な著書に『日本SF全集・総解説』、編著に『年刊日本SF傑作選』(大森望と共編)『筒井康隆コレクション』など
タイムテーブル
企画の順序は変更する場合があります
時間 | |
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10:00 | 開場 |
10:30 | 開演 |
10:40〜11:40 | クロスメディアの作家たち |
11:40〜12:40 | 昼休み / サイン会 |
12:40〜13:40 | 中国科幻小説の今 |
13:40〜13:50 | 休憩 |
13:50〜14:50 | SFファンタジー翻訳教室 |
14:50〜15:00 | 休憩 |
15:00〜16:00 | 會川昇インタビュー 『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想』〜ヒーロー・伝奇・SF |
合宿企画
◆昼企画の続きを語ろう(クロスメディアの作家たち、『三体』以後の中国SF、SFファンタジー翻訳教室、會川昇インタビュー)
合宿では本会企画の補完的な企画を行います。今年もそれぞれ本会企画について、部屋に分かれて語り合う企画を立てました。本会企画を聞いて感じたこと、しゃべりたいことを自由に語り合う部屋です。本会企画では聞けなかった質問を直接ぶつけてみても良いかもしれません。
時間割
時間 | 部屋1 | 部屋2 | 部屋3 | 部屋4 | |
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20:00〜21:00 | 昼の企画の続き | 會川昇インタビュー延長戦 出演:會川昇、日下三蔵 | 『三体』以後の中国SF 出演:スタンリー・チェン、立原透耶 | 西崎憲と翻訳について語ろう 出演:西崎憲 | クロスメディアの作家たち・合宿編 出演:三島浩司、大樹連司 |
21:10〜22:30 | 1コマ目 | 日本SF大賞について楽しく話そう! 出演:牧眞司、日下三蔵、岡和田晃 | ヒューゴーショックとはなにか? 出演:スタンリー・チェン、巽孝之、小谷真理 | のめらにゃん斎『怪獣狂言(もののけものきょうげん)丑寅の巻』 出演:のめらにゃん斎 | 前島賢にラノベを教える部屋 出演:前島賢(大樹連司) |
22:40〜24:00 | 2コマ目 | 日本SF大会チャンネル〜SFセミナー出張版 出演:小浜徹也、堺三保 ほか | ジェンダーSF研究会の部屋 出演:G研会員 | ナイトランドセッション出張版「ナイトランド叢書のいままでとこれから」 出演:牧原勝志(植草昌実)、岡和田晃、岩田恵 ほか | 今読む『カエアンの聖衣』、そして<ワイドスクリーン・バロック> 出演:大森望、中村融、林哲矢 ほか交渉中 案内:SF ファン交流会 |
24:10〜25:30 | 3コマ目 | 「いせしまこん」の部屋 出演:いせしまこんスタッフの皆さん | 「MELANO MUSEUM」の謎 出演:目羅健嗣、岡和田晃 ほか |
※タイトル、出演者などは変更する場合もあります