SFセミナー2015 企画紹介
本会企画
東山彰良インタビュー(仮)
出演:東山彰良 聞き手:大森望
2003年のデビュー以来、コンスタントに作品を発表している気鋭のミステリー作家としてしられる東山彰良氏は、2009年には『路傍』で大藪春彦賞を受賞。小説の執筆以外にも、翻訳やアニメ映画の脚本、ノベライズ等、精力的に様々なエンターテインメント分野で活動されています。作風も広義のミステリーの枠を飛び越え、2013年にSF的な世界を舞台にした大著『ブラックライダー』により、SF読者からも注目を集めています。聞き手にSF翻訳家、文芸書評家の大森望氏をお招きして、作品と個人の魅力に迫ります。(文責・タカアキラ)
●東山彰良(ひがしやま・あきら)
1968年台湾生まれ。2002年、第1回『このミステリーがすごい!』大賞銀賞・読者賞を「タード・オン・ザ・ラン」で受賞。03年、同作を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』でデビュー。09年『路傍』(集英社)で第11回大藪春彦賞を受賞。
●大森望(おおもり・のぞみ)
1961年、高知県生まれ。翻訳家として、SF・ファンタジーの訳書多数。「文学賞メッタ斬り!」(豊崎由美との共著)執筆以降、文芸賞を取り巻く状況をわかりやすく解説する文芸物知り博士としてテレビ・ラジオでも活躍。
生誕101年、改めて若者もラファティを推す
出演:松崎健司、橋本輝幸、坂永雄一(予定)
まだまだ続く、SF界の神話的巨匠・ラファティ祭り! 昨年刊行された〈SFマガジン〉12月号「R・A・ラファティ生誕100年記念特集」の特集解説にて、監修の牧眞司氏は書いた。──そう、ぼくらは秘密結社だ。ラファティの作品を愛し、ラファティのユーモアと奇想と見識で、この世界をもうすこし楽しい場所にしようともくろむ盟友だ。──ところで最近、この秘密結社「ラファティ友愛団(仮)」に、若手台頭と役割分担再編成の兆しが。〈SFマガジン〉では、80年代生まれの坂永雄一氏が邦訳全短篇紹介をこなし、84年生まれの橋本輝幸氏は翻訳デビュウ。そしてやや若くない松崎健司氏も遂に商業翻訳に手を染めた。そんなメンバーが語る、ひと味違ったラファティ談義。あらゆるSFファン、集まるのだ。(文責:井手聡司)
●松崎健司(まつざき・けんじ)〈らっぱ亭〉65年生まれ。放射線科医。ラファティ読者。
●橋本輝幸(はしもと・てるゆき)
84年生まれ。会社員。ラファティ読者。
●坂永雄一(さかなが・ゆういち)
80年代生まれ。会社員。ラファティ読者。
豊田有恒インタビュー「私的日本SF創世記」
出演:豊田有恒
聞き手:日下三蔵
まだSFという言葉が珍しかった60年代、のちに第一世代と呼ばれることになる作家たちがSFに新たな可能性を見出し、活動を始めました。彼らは小説のみならず、マンガの原作、映像作品のシナリオ、海外作品の翻訳ほかさまざまなかたちでSFを広め、日本のSFの基礎を築きました。今回お招きする豊田有恒氏もそのお一人です。
SFとの出会い、空想科学小説コンテストへの応募とSFマガジンへのデビューから始まる作家活動。最初期のTVアニメ『エイトマン』『鉄腕アトム』などでのシナリオ執筆。『宇宙塵』への参加、スタッフも務めた『第一回日本SF大会メグコン』パロディ同人誌『宇宙鹿』などのファン活動。そしていまや伝説的に語られる他のSF作家との交流など、日下三蔵氏を聞き手におうかがいします。(文責:新井勝彦)
●豊田有恒(とよた・ありつね)
1938年生まれ。1962年第二回空想科学小説コンテストに『火星で最後の……』が佳作入賞、翌63年SFマガジンに転載されデビュー。著作に『倭王の末裔』『モンゴルの残光』ほか多数。
●日下三蔵(くさか・さんぞう)
1968年生まれ。ミステリ・SF評論家。フリー編集者。アニソン研究家。主な著書に『日本SF全集・総解説』、編著に『年刊日本SF傑作選』(大森望と共編)『筒井康隆コレクション』など
未来技術とSFの転轍点
出演:大野典宏、鹿野司、八代嘉美、藤井太洋
SF(サイエンス・フィクション)的想像力を愛する現代の我々にとって、科学者や技術者が描く未来よりさらにその先のセンス・オブ・ワンダーにまでたどり着くためのハードルは、果てしなく高くなっているように感じます。
現代のSFモノは、最先端科学をどうキャッチアップし、越えようとする想像力を鍛えれば世界を楽しくできるのか、世界の捉え方がガラリと変わる転轍点(point of switch)を得るための、現実的な方法論をお伺いしたいと思っています。具体的に、どのようなサイトや文献を普段チェックするのが大事か、持つべき問題意識は何か、今後注目されそうな分野は何か、そしてどう調べるか、そういったノウハウについてもお伺います。また、こんな科学トピックがある、今自分はこれに注目している、といったネタの開陳もアリ。創作者・読者ともに満足させるメンバーをお呼びしました。(文責:井手)
●鹿野司(しかの・つかさ)
1959年生まれ。サイエンスライター、SF評論家。宇宙作家クラブ会員。『サはサイエンスのサ』(早川書房)にて2011年に星雲賞を受賞。
●大野典宏(おおの・のりひろ)
1964年生まれ。会社経営、翻訳(ロシア語/英語/ポーランド語)、ライティング。宇宙作家クラブ会員。〈SFマガジン〉(早川書房)にて「サイバーカルチャートレンド」連載中。ロシアSF小説翻訳多数。
●八代嘉美(やしろ・よしみ)
1976年生まれ。幹細胞生物学者。京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門特定准教授。著書に「死にたくないんですけど」(海猫沢めろんと共著)など。
●藤井太洋(ふじい・たいよう)
1971年生まれ。小説家。日本SF作家クラブ会員。著書に『Gene Mapper -full build-』、『オービタル・クラウド』(以上、早川書房)、『アンダーグラウンド・マーケット』(朝日新聞出版)、『ビッグデータ・コネクト』(文春文庫)などがある。
タイムテーブル
企画の順序は変更する場合があります
時間 | |
---|---|
10:00 | 開場 |
10:30 | 開演 |
10:40〜11:40 | 東山彰良インタビュー(仮) |
11:40〜12:40 | 昼休み |
12:40〜13:40 | 生誕101年、改めて若者もラファティを推す |
13:40〜13:50 | 休憩 |
13:50〜14:50 | 豊田有恒インタビュー「私的日本SF創世記」 |
14:50〜15:00 | 休憩 |
15:00〜16:00 | 未来技術とSFの転轍点 |
合宿企画
◆昼企画の続きを語ろう(東山彰良の部屋、ラファティの部屋、未来技術とSFのヤバい部屋)
合宿では本会企画の補完的な企画を行います。今年もそれぞれ本会企画について、部屋に分かれて語り合う企画を立てました。本会企画を聞いて感じたこと、しゃべりたいことを自由に語り合う部屋です。本会企画では聞けなかった質問を直接ぶつけてみても良いかもしれません。(「豊田有恒インタビュー」は補完企画を行わない予定です)
時間割
時間 | 部屋1 | 部屋2 | 部屋3 | 部屋4 | |
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20:00〜21:00 | 昼の企画の続き | 東山彰良の部屋 出演:未定 | ラファティの部屋 出演:松崎健司、橋本輝幸、坂永雄一、牧眞司、他 | 追悼 平井和正 出演:豊田有恒 | 未来技術とSF のヤバい部屋 出演:鹿野司、大野典宏、八代嘉美、藤井太洋、他 |
21:10〜22:30 | 1コマ目 | ナイトランドセッション出張版「吸血鬼変奏曲」 出演:牧原勝志(植草昌実)、岡和田晃、岩田恵 他 | 荒巻義雄の部屋 出演:巽孝之、高梨治 | 日本SF大会チャンネル〜 SFセミナー出張版 出演:牧眞司、小浜徹也(オペレーション:甘えび、さわだきょういち) | |
22:40〜24:00 | 2コマ目 | 二代目の世界〜子供から見たSF大会〜 | スタニスワフ・レム・ルネサンス 出演:大野典宏、牧眞司 | 名古屋SFシンポジウム報告 出演:巽孝之、渡辺英樹 | 突撃! 隣の本棚事情 出演:井手聡司、u-ki、あらま草、茅野 案内:SF ファン交流会 |
24:10〜25:30 | 3コマ目 | ユリ熊嵐の部屋〜幾原監督作品について考える〜 | NW-SF 入門〜NW-SFって何ですか? 出演:新戸雅章、茅野隼也 | ジェンダーSF 研究会の部屋 出演:小谷真理、G研会員 |
※タイトル、出演者などは変更する場合もあります