SFセミナー2013 企画紹介
本会企画
ジョー・ホールドマン氏、本会企画に来場、お昼休みにサイン会を行う予定です(企画への出演はありません)
Gene,Meme,Hacking──藤井太洋インタビュウ
出演: 藤井 太洋 聞き手:堺 三保
2012年7月に電子書籍で個人出版された、著者初の小説「Gene Mapper」(ジーン・マッパー)は、電子端末向けに特化されたリーダビリティの高い文体・構成の採用と、センスの良いSFアイデアで人気となりました。フルスクラッチされた農作物と現実と見まごう拡張現実に満たされた2037年の世界を描いた、リアルでスピード感溢れるハードSF作品。作品の魅力に加え、個人出版ながら各種の電子書籍形式に積極的に対応し複数のサイトで売上げ上位にランクインし、Kindleストアでも1位を獲得したことで、大変に話題になりました。今回ハヤカワ文庫JAより大幅増補改稿された紙版『Gene Mapper -full build-』が刊行されるにあたり、電書発の新しい才能に執筆背景とSFと電書の未来について伺います。
(文責・井手聡司)
■藤井太洋(ふじい・たいよう)
1971年奄美大島生まれ。 国際基督教大学を中退後、舞台美術やDTP制作、展示グラフィックディレクターなどを経て、最近までソフトウェア開発・販売を主に行う企業に勤務。2012年、電子書籍個人出版「Gene Mapper」を発表し、作家として一躍注目を浴びる。2012年12月、「コラボレーション」(早川書房「SFマガジン 2013年2月号」掲載)、「UNDER GROUND MARKET」(朝日新聞出版「小説 TRIPPER 2012年冬号」掲載)の短篇2作で商業誌デビュー。
■堺三保(さかい・みつやす)文筆業者。1963 年、大阪生まれ。最近の仕事は、TV アニメ『エウレカセブンAO』(SF設定)、アメコミ『WE 3』(翻訳)、その他、SFM 連載「堺三保のアメリカン・ゴシップ」等。
※企画終了後に、サイン会を予定しています。
シスターフッドの時代に
出演:粕谷知世/水島希/高世えり子/小谷真理/柏崎玲央奈
ジェンダーSF研究会は、2011年度センス・オブ・ジェンダー賞で、シスターフッド賞(以下S賞)という部門賞を設けました。「シスターフッド」とは、原義を離れ「女たちの連帯」という意味合いでも使われている言葉です。本年度のS賞「終わり続ける世界のなかで」及び「魔法少女まどか☆マギカ」そして大賞「ななめの音楽」は、従来の女性同士の関係を問い直し、「シスターフッド」の概念を大胆に更新してみせました。こうした女性同士の関係性をめぐって、「終わり続ける…」の作者粕谷知世さん、選考委員の水島希さん、高世えり子さんをお招きし、変貌する「シスターフッドの時代」について語ります。(文責・石神南)
■粕谷知世(かすや・ちせ)
2011年センス・オブ・ジェンダー賞受賞者。大阪外国語大学イスパニア語科卒業、専攻は南米史。2001年『太陽と死者の記録』で第13回日本ファンタジーノベル大賞受賞。『クロニカ 太陽と死者の記録』として同年出版(新潮社)。『アマゾニア』(中央公論新社)、『ひなのころ』(中央公論新社)に続く第4作『終わり続ける世界のなかで』(新潮社)において、2011年度センス・オブ・ジェンダー賞シスターフッド賞を受賞。
■水島希(みずしま・のぞみ)
2011年センス・オブ・ジェンダー賞外部審査員。京都大学理学部動物学教室(動物行動学)博士課程修了、理学博士。専門は行動生態学及び進化生物学。エイズ研究や性風俗産業で働く女性の当事者運動にも関わり、HIV/STD予防介入プログラムの開発研究を行う。東大情報学環で科学技術と社会に関する研究(フェミニズムと進化生物学の関係、脳神経科学技術と社会など)を行う。現在は放射性物質をめぐる科学知と市民の関係を研究中。
■高世えり子(たかせ・えりこ)
2011年センス・オブ・ジェンダー賞外部審査員。日本女子大学人間社会学部卒業、専門は比較文化。卒業後不動産会社OLをしながら漫画家を目指す。2007年第31回プチコミックまんが大賞準入選。『人のヨメ見て我がフリ直す!?』でデビュー。2008年、『理系クン』出版を機に、理系男子コメンテイターとしても活躍。『理系×ダイエット〜甘くない現実直視マンガ〜』、『もし富士山が噴火したら』、『理系なお姉さんは苦手ですか?』等著書共著多数。
■小谷真理(こたに・まり)
2011年センス・オブ・ジェンダー賞幹事、ジェンダーSF研究会発起人代表。北里大学薬学部薬学科卒業。日本SF作家クラブ会員。2003年から日本ペンクラブ女性作家委員会委員長。『女性状無意識』(勁草書房)で1994年度日本SF大賞受賞。著書は『聖母エヴァンゲリオン』、『ファンタジーの冒険』、『おこげノススメ』、『ハリー・ポッターをばっちり読み解く7つの鍵』、『エイリアン・ベッドフェロウズ』、『テクノゴシック』、『星のカギ、魔法の小箱』など多数。
■柏崎玲央奈(かしわざき・れおな)
SF評論家、レビュアー、ジェンダーSF研究会発起人、宇宙作家クラブ会員。理系(生物)方面に生息する子(小学4年生女児)持ちSFファン、腐女子。
海中ロボットの現在と未来 −鉄腕アトムは海から生まれる−
出演:浦環
100気圧摂氏0度、水深1,000mの海の底で、自律型海中ロボットは見たこともないような光景を撮影し、私たちに届けてくれます。楽しいだけでなく、役に立つロボット、それは人が行けない困難な環境の中で育っていくのです。海底にロボット共和国ができる明日を目指して、一歩一歩前にすすんでいる海中ロボット研究の今日と明日を紹介したい。(文責・浦 環)
■浦環(うら・たまき)
昭和23年生まれ。自律型海中ロボット研究の第一人者で、これまでに20匹近くの個性あるロボットを創り、海に潜らせ、海中ロボット学を打ち立てた。ロボット学者は、ロボットとともにロボットが成し遂げようとする分野(例えば海底資源の調査ならば地質学)の専門家になってしまう。2013年3月東京大学生産技術研究所海中工学国際研究センターを定年退職し、4月からは九州工業大学社会ロボット具現化センター長として新たなロボット分野を切り開こうとしている。
ライブ版SFスキャナー・ダークリー
出演:中村 融 聞き手:橋本 輝幸、茅野 隼也
翻訳家の中村融さんが主に英米のSF や怪奇幻想文学の紹介記事を掲載されているブログ『SFスキャナー・ダークリー』。作品内の小ネタから作家に関する雑学、翻訳の妙技まで、博覧強記の筆者による活き活きとした解説が、今、英米のSF や怪奇幻想文学の愛好家たちの間でブームになっています。今回は中村さんご自身の読書歴や翻訳家としてのお仕事、さらにアンソロジストとして『影が行く』を題材に、アンソロジーが出来るまでをお聞きします。(文責:茅野隼也)
■中村融(なかむら・とおる)
1960年生まれ。中央大学卒業。大日本印刷を退社後、翻訳学校に通い、ブラッドリー『惑星壊滅サービス』で翻訳家としてデビュー。SF・ファンタシー研究家、アンソロジストとしての顔も持つ。主な訳書に、ウェルズ『宇宙戦争』『モロー博士の島』、ムーニイ『ほかの惑星への気楽な旅』。主な編著に『影が行く』『地球の静止する日』『千の脚を持つ男』、『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』などがある。
■橋本輝幸(はしもと・てるゆき)
1984 年生まれ。会社員。ときどき筆名でレビュアー・ライター業。08年からSFマガジンで「世界SF情報」コーナーを担当中。
■茅野隼也(かやの・しゅんや)
1992 年生まれ。法政大学在学中。一人SF 研三年目。チャールズ・ストロス溶接マン。SFセミナースタッフ。SFファン交流会スタッフ。
タイムテーブル
時間 | |
---|---|
10:00 | 開場 |
10:30 | 開演 |
10:40〜11:40 | Gene,Meme,Hacking──藤井太洋インタビュウ |
11:40〜12:40 | 昼休み (藤井太洋サイン会予定) |
12:40〜13:40 | シスターフッドの時代に |
13:40〜13:50 | 休憩 |
13:50〜14:50 | 海中ロボットの現在と未来 |
14:50〜15:00 | 休憩 |
15:00〜16:00 | ライブ版SFスキャナー・ダークリー |
合宿企画
◆昼企画の続きを語ろう
合宿では本会企画の補完的な企画を行います。今年もそれぞれ本会企画について、部屋に分かれて語り合う企画を立てました。本会企画を聞いて感じたこと、しゃべりたいことを自由に語り合う部屋です。本会企画では聞けなかった質問を直接ぶつけてみても良いかもしれません。
◆ シスターフッドの夜
◆ 藤井太洋の部屋
◆ 中村融の部屋
その他にも以下の企画が行われます。
◆アンナ・カヴァン『アサイラム・ピース』読書会
◆SF翻訳講座ライブ版2013
◆日本作家クラブ50 周年記念プラネタリウム予告編上映会
◆SF落語寄席(出演:笑福亭羽光、立川三四楼)
◆「ジェンダーSF研究会」の部屋
◆トーレン・スミス追悼
◆これでアナタもSFスキャナー 出張SFファン交流会
◆若者部屋
◆セミナーオークション・ダークリー
※タイトル、出演者などは変更する場合もあります