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【スライド 41/45】 「文句をいうなら提案せよ!」


【スライド41】 「文句をいうなら提案せよ!」
【スライド41】 「文句をいうなら提案せよ!」
元・宮城大学学長の野田一夫の口癖。

期待感を煽る新聞広告。作家たちが頼もしい表情で一堂に会している写真などを使用。出版社ではなく作家が自ら積極的にイメージを創り出し、広告を打ってゆく。日本の未来を創ってゆく先進的なイメージで。SFや科学書が中心だが、従来ミステリー・ホラー・恋愛小説分野に含まれていた作家たちにも登場願う。ヤングアダルト作家、マンガ家、映画監督、現役科学者、サイエンスジャーナリストなども含める(ただし、コアなSFファンだけに人気のある作家はあえて含めない)。瀬名秀明の小説なんてつまらない、という人が多いのなら、瀬名はプロデューサー役に徹してもいい。

1年間で12冊、本当に面白い本を毎月刊行する(出版社はまちまちでよいが、オビを統一する)。
 僕が3年間務めた宮城大学の初代学長だった野田一夫氏は、「文句をいうなら提案せよ」と口癖のようによくいっていました。それに倣って、僕もSFへの提案をしてみたいと思います。どうやったらSFが売れるようになるか。

 いま、出版社は出版社ごとに広告を出している。でも、それは古いんじゃないか。みんなが協力し合って、SFを盛り立てるような宣伝ができないものか。例えば作家がグループを作って、共同で広告を出したらどうでしょう。新聞に大きく広告を出すんです。最初は各出版社や各作家の間で遠慮もあるでしょうし、責任をどこがどの程度負担するかで揉めるかもしれませんから、この新聞広告費用は僕が全額負担しましょう。全面広告だと難しいですが、全5段広告くらいなら出せます。僕のことが嫌いなSFファンも多いですから、僕は黒子に徹してもいい。僕が絡んでいることが広告からだけではわからないようにすることも可能です。
そして、本当に面白い新作SF作品を12個集める。ここにはいろいろな種類のSF作品が入るのがいい。小説をメインとしつつも、ノンフィクションや映画、アニメ、ゲームも入れるんです。そしてその作家・クリエイター12人が一堂に会して、僕たちが本当に面白いSFをみんなに提供しますよ、という感じでドカンと新聞広告に登場する。
ここで集まる作家は、既存のジャンル概念にとらわれたSF作家ではいけません。あえてジャンル作家でない人も積極的に取り込んでゆく。あくまで面白さで選定します。それで、毎月その作品をひとつずつ出すわけです。統一マークや統一デザインをつくって、個々の作品が連動していることを消費者側に意識づけます。小説なら帯や装丁を統一してもいいかもしれません。それで帯の裏に、例えば「来月は○○さんの××刊行!」とか、そういうふうに書いて、次の作品への橋渡しをする。1年間で12冊(12個)のコア作品を、12の出版社(媒体)から連動的にプロデュースしていく。出版社の枠を超えたプロモーション展開です。さらに、それらの作品からもっと広がりを持たせるために、「○○が面白かった人にはこれがおすすめ」といった特集を雑誌で仕掛けてゆく。Further readingのガイドを充実させることで、SF全体の底上げを図るんです。

 これは、かなり真面目なアイデアです。もしこの企画に興味を持ってくださる出版社がいらっしゃれば、あるいは一緒にやりたいという作家の方は、ぜひ僕にご連絡下さい。出版社はタダで自社本の広告が打てるんですよ。一年で12冊出せば、なんとなく流れができるのではないかと思うんです。



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