表紙>はじめに>講演内容>質疑応答>反響に対して>資料請求先 1)コンタクトへ (瀬名) はじめまして、瀬名秀明と申します。今日はよろしくお願いいたします。 SFセミナーは、来るのも講演するのも今回が初めてです。実は何年か前からこちらのセミナーのスタッフの方からお誘いをいただいていたのですが、いろいろな理由でお断りしておりました。なぜかと申しますと、まずは来たら参加者の皆様にぶちのめされるんじゃないか(笑)、なんか恐いことが起こったらどうしよう、という恐怖心が正直なところあったからです。ただ、今日初めてこちらに参ったのですが、雰囲気がよくてほっとしています。それから、実をいうとあまりSFを読んでいないという自覚もありまして、特に海外SFをあまり読んでいないので、こちらに出てSFの話をしても、観客の方のほうが余程SFを知っているんじゃないか、と思ったこともあります。 以前に「本の雑誌」で、“クズSF論争”のきっかけとなった座談会がありましたが、ここ10年、20年で読まなければいけないSFリストというのが掲載されていて、僕が読んでいたのはそのうち2割とか3割だったので、これを全部読むまではちょっと来られないなと思っていたんですが、今日までに全部読めたかというと読めておりません。申し訳ないです。 さて、昨年の10月に『八月の博物館』が出てから角川書店の縛りもなくなって、いろんな出版社とお付き合いができるようになりました。それで今日はFセミナーに是非お伺いしよう、もしお話ができるのであれば、あまりSFファンの方と話をしたことがないので、僕がSFに対して思っている違和感のようなものを話して、外の人間がこんな事を考えているということを示そうと思った次第です。僕はもともとSFファンだったと思うんですが、どうもいまのSFファンの方とうまくコミュニケーションが取れないと感じていたものですから、そういう話をさせてくださいとお願いして、こちらのほうに参りました。どうぞよろしくお願いいたします。 今日はスライドを作ってきました。こちらのスクリーンに出しながらお話しします。1時間という短い時間ですが……今回はスライドを40枚くらい作ってきているんですよね。ですから、はしょったりすることもありますし、全部は説明しません。今日は夜に合宿企画があるようですね。僕はちょっと他の用事があって、そちらにお伺いできないんですけれども、その際に資料として使っていただけると幸いかなと思ってスライドの内容を少し詳しく作ってきました。ですからこの会場では本当に眺めるようなかたちでスライドを見ていただけるとありがたいです。じゃあ、まず1枚めのスライドからいってみます。こんなに暗くなってしまうんですね。大丈夫……はい、こういう感じで。 【スライド1/45】表紙
僕も実は昨日まで書けなかったんですが(笑)、「Un」から始まるんじゃないんですね。「Amb」と始まる(*註・Ambivarent)。辞書をひきますと、「心が不安定である」「愛憎相半ばする」「両面性である」という意味が書いてあります。名詞形では「両性愛の人」という意味がどうやらあるようですね。 |
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