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SFセミナー2005 企画紹介

[カテゴリ:SFセミナー2005]

本会企画

正しいライトノベルの作り方?――疾走する作家、桜庭一樹のスタイル

出演:桜庭一樹・スペースK・三村美衣 司会:タカアキラ

 ライトノベル随一の武闘派作家、桜庭一樹がその某社担当編集とともに、SFセミナーにやってくる! 2000年1月『AD2015隔離都市』でデビュー後、ファミ通文庫やスニーカー文庫、EXノベルズなどからオリジナルSFや独自の世界を描いた小説を出版しながら成長。そして2003年から始まった富士見ミステリー文庫『GOSICK』でブレイク! 昨年は『推定少女』や『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』など、興味深い作品を次々に発表。いま波に乗っている作家・桜庭一樹のこれまでの足跡をたどりつつ、日本で一番ライトノベルを読んでいる書評家・三村美衣氏を交え、作家・編集者・書評家3人のパネリストの視点から、現代ライトノベル事情を読み解きます。(文・柏崎玲央奈)

※DMの紹介文に一部訂正がありました。こちらが最新版です。

出演者略歴

■桜庭一樹(さくらば・かずき)
7月26日生まれ。1999年に『夜空に、満天の星』でファミ通エンタテインメント大賞(現在はえんため大賞)佳作受賞。同作(『AD2015隔離都市』と改題)でデビュー。主な著作に『GOSICK』「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(富士見ミステリー文庫)、『推定少女』『赤×ピンク』(ファミ通文庫)、『ルナティック・ドリーマー』(EXノベルス)、『竹田くんの恋人』(スニーカー文庫)など。

■スペースK(すぺーす・けい)
某社桜庭一樹担当編集。SFと言えば、私は大のスターウォーズマニアなんですが、昨日CRスターウォーズで3万円ほどかっぱがれました。トータルで10万円ぐらいむっこんでます。ちきしょーR2のヤツ全く役にたちません。でも、そんな愛しているスターウォーズの列は、誰も座ってなくて……CR吉幾三の方が人気あるってのはどういうことなんでしょうか? フォースとともにあらんことを。

■三村美衣(みむら・みい)
1962年生まれ。ブックレビュアー。1994年から2001年までSFマガジンのライトノベル書評を担当。当時、「SFマガジンで褒められるとヤバイ」と作家や編集者に言われていたことを最近知った。〈オーフェン〉だって〈十二国記〉だって褒めたのにな。その他〈おすすめ文庫王国〉〈活字倶楽部〉などで書評を執筆。昨年末、太田出版より『ライトノベル☆めった斬り!』(大森望と共著)を上梓。

■タカアキラ ウ (たかあきら・う)
1976年、鹿児島県生まれ。夜は天体観測、昼はSFセミナースタッフ。HP上でファン活動を積極的に行う。ライターの仕事としては榎本秋編著『ライトノベルデータブック』等がある。

異色作家を語る

出演:浅暮三文・中村融・牧眞司 司会:代島正樹

ようこそ。本日は特別メニューをご用意しました。乱歩が言いならわした“奇妙な味”の逸品。どんな文芸ジャンルからも零れ落ちてしまう珍かな果実。表立って話題にされることこそないけれど秘かに語りつがれていく銘酒。「異色作家」という括りはきわめて曖昧ですが、とりあえず今回は舶来の短篇小説から選りすぐっています。知る人ぞ知る佳品をごゆるりと賞味ください。ただし、日の当たるものばかりに慣れた舌には、いささかアクが強すぎるかもしれませんが……。また、いかなる毒が含まれていたとしても、当方では責任を負えませんので、あらかじめご承知おきを。御案内をつとめますのは、当レストランが誇る“黄昏のソムリエたち”でございます。(文・牧眞司)

出演者が推薦する異色作家短篇集のリストはこちら→異色作家リスト

出演者略歴

■浅暮三文(あさぐれ・みつふみ)
1959年生まれ。作家。『ダブ(エ)ストン街道』で、1998年、メフィスト賞を受賞してデビュー(講談社)。ユニークで実験的な作品を次々に発表する。2003年、『石の中の蜘蛛』(集英社)で第56回日本推理作家協会賞を受賞。そのほかの著書に『カニスの血を嗣ぐ』(講談社ノベルス)、『針』(ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)、『10センチの空』(徳間書店/本年度中学二年国語教科書に採用)、『嘘猫』(光文社文庫)などがある。浅暮三文情報サイト「GURE GROOVE」(http://asagure.fc2web.com/

■中村融(なかむら・とおる)
1960年生まれ。翻訳家。訳書に、レイ・ブラッドベリ『塵よりよみがえり』(河出書房新社)、ジェイムズ・バイロン・ハギンズ『凶獣リヴァイアサン』(創元SF文庫)他多数。編訳書に、テリー・ビッスン『ふたりジャネット』、エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』、アルフレッド・ベスター『願い星、叶い星』(以上、河出書房新社)、アンソロジー『影が行く』(創元SF文庫)、『不死鳥の剣』(河出文庫)など。

■牧眞司(まき・しんじ)
1959年生まれ。SF研究家。著書に『ブックハンターの冒険』(学陽書房)、訳書にマイク・アシュリー『SF雑誌の歴史』(東京創元社)。

■代島正樹(だいじま・まさき)
1973年生まれ。SFセミナースタッフ。合宿企画「ほんとひみつ」他を担当。

鈴木いづみRETURNS

出演:大森望・高橋源一郎・森奈津子

ヌード撮影、足の小指切断、パンストによる首吊り自殺……その過激な生き様ばかりが注目され、文筆活動、特にSF作家としての評価が全く追いついていない「早すぎた才能」鈴木いづみ。若いSFファンに鈴木いづみのことをある程度知っている者はほとんどいないが、逆にある世代以上のSF作家やSFファンは、彼女についてある特別な感慨を持っているように感じられる。ちょっとそれはどうよ!

鈴木いづみとは何だったのか、SF界に残したものは何だったのか、今読む意義は……。昨年末『鈴木いづみセカンド・コレクション』が完結し、作家としての再評価機運が高まる鈴木いづみの魅力を紐解く。(文・井手聡司)

出演者略歴

■大森望(おおもり・のぞみ)
1961年高知県出身。SF翻訳家、批評家。『時間衝突』パリントン・J・ペイリー著(早川書房)翻訳で第21回星雲賞海外長編部門受賞。近著は翻訳書に『犬は勘定に入れません』コニー・ウィリス著(早川書房)、『航路』コニー・ウィリス著(上・下巻)(ソニー・マガジンズ)等。映画のノベライズに『ホーンテッド・マンション デイヴィッド・バレンバウム脚本』(竹書房)、書評書籍に『文学賞メッタ斬り!』(豊崎由美と共著)(PARCO出版)、『ライトノベル☆めった斬り!』(三村美衣と共著)(太田出版)、『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(北上次郎と共著)(ロッキング・オン)等がある。現在、「本の雑誌」(本の雑誌社)、「SHIGHT」(ロッキング・オン)等に書評系連載多数。近刊に、『現代SF1500冊 乱闘編 1975-1995』(太田出版)、『ベストSF201』(共著)(新書館)を刊行予定。

■高橋 源一郎(たかはし・げんいちろう)
1951年広島県出身。1981年『さようなら、ギャングたち』で第4回群像新人長篇小説賞優秀賞を受賞。1988年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島賞受賞。2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞受賞。近著に『読むそばから忘れていっても―1983-2004マンガ、ゲーム、ときどき小説』(平凡社)、『性交と恋愛にまつわるいくつかの物語』(朝日新聞社)等がある。5月2日に『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』(集英社)刊行。現在、「あとん」(株式会社アートン)、「メフィスト」(講談社)、「すばる」(集英社)にて小説を、「文學界」(文藝春秋)等にて書評を連載中。近刊に『大人にはわからない日本文学史』(岩波書店)を刊行予定。

■森奈津子(もり・なつこ)
1966年東京都出身。作家。1991年『お嬢さまとお呼び!』でデビュー。2000年『西城秀樹のおかげです』(イースト・プレス、現在ハヤカワ文庫収録)が第21回日本SF大賞ノミネート。2004年『からくりアンモラル』(早川書房)が第25回日本SF大賞にノミネート。 近著は『ゲイシャ笑奴』(ぶんか社)『電脳娼婦』(徳間書店)。現在、ゲイ・コメディ短編集『踊るギムナジウム』(フィールドワイ)の書き下ろし作品を執筆中。6〜7月には夕刊紙「日刊ゲンダイ」土曜版に官能小説を連載予定。他に、KKベストセラーズで官能短編集が企画されている。

SFファンの引っ越し

出演:門倉純一・大野修一・風野春樹 司会:牧眞司

想像力は時空に制限されず、感性は狭い現実を超越する。そんな私たちSFファンも、日常のカベにぶちあたることがあります。なかでも難問が「引っ越し」。熱心にSFを愛好すればするほど、この道で年季が入れば入るほど、コレクションや資料がふくらんでしまう。それだけ物理的な制約が重くのしかかるわけです。嗚呼、重力が憎い、三次元だけの空間が憎い。みなさんも笑っている場合じゃありません。SFファンならば誰でもいつかはこの問題に直面するにちがいない(断定)。そこでSFセミナーとしては、珍しいプラクティカルな企画です。SFファンが引っ越すときに必要なものは? 事前の準備は? 心構えは? (文・牧眞司)

出演者略歴

■門倉純一(かどくら・じゅんいち)
1947年生まれ。日本で初のSF映画ファンの同人誌「モノリス」(SF映画ともの会)に関係し、オーディオSFの「SF音コン」などを主催、SFAV趣味人を自認している。初代『スターログ』や『SFマガジン』などにビデオやレコードに関する記事を連載、星敬氏などと協力した、NHKの「ラジオSFコーナー」のメインパーソナリティーを勤める。同時期FM東京の「音の本棚」にも出演経験あり。

■大野修一(おおの・しゅういち)
1964年生まれ。明治大学SF研出身・流しのSFファン。大学卒業後、(株)徳間書店に就職。『少年キャプテン』『Chara』等マンガ雑誌の編集者を10年以上務め、文芸セクションへと異動。雑誌「SF Japan」、《徳間デュアル文庫》を立ち上げる。メディアを越えて多彩なジャンルのカルチャーシーンに詳しく、独自の編集センスで活躍、ふと気づけば『アニメージュ』名物編集長に。……と思っていたら、来年は新しいマンガ誌を創刊することになりそう。

■風野春樹(かざの・はるき)
1969年生まれ。精神科医兼SFレビュアー。『SFマガジン』にて国内SF書評、『週刊読書人』にてSF書評を担当。『ゲーム批評』、『不思議ナックルズ』などにもときどき寄稿。

■牧眞司(まき・しんじ)
1959年生まれ。昼の顔はフリーライター。合間あいまにブックハンター。

山田正紀サイン会

 あの伝説のデビュー作『神狩り』から31年、『SF Japan』誌上で続編の告知が出てからさらに数年。今春、ついに待望の続編『神狩り2 リッパー』が刊行されました!
 SFセミナー2005では、昨年の本会企画「山田正紀インタヴュー'04〜神狩る螺旋のエイダ、謀殺の幻象オペラ」にご出演された山田正紀氏に、サイン会をしていただける運びとなりました。ご期待下さい。(文・鈴木力)